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                                           29 November 2019

ショック・ドクトリン
 三橋貴明著『国富新論―「奪い合う経済」からの脱却』扶桑社(2013/09)には、レント・シーキングについて分かり易い以下の記述がある。レント・シーキングは直訳すると「地代を探す」だが、「企業が独占利益や超過利益を獲得するためのロビー活動」を指すとある。

 安全保障は、国家という共同体の管理者たる政府にしか確立することができない。そういう意味で、自民党の中国に対する「まともな外交」や、国土強靭化の推進は、進半ばとはいえ日本国民の安全保障を強化している。 再生可能エネルギー特措法は、震災と原発事故というショックを利用して、「誰か」が実現したレント・シーキングだ。

 日本国民は再生可能エネルギー発電促進賦課金として、本来は不要な発電費用を支払うが、その相手はもちろん再生可能エネルギーの発電事業を始めた事業者や投資家たちである。代表が、ずばり菅政権に「自然エネルギー協議会」を立ち上げさせ、再生可能エネルギーをクローズアップさせることに成功した人物、ソフトバンク社長の孫正義氏だ。自然エネルギー協議会は、福島第一原発事故後に、孫氏が都道府県知事に呼びかけ、設立されたものである。

 孫氏は現在も、自然エネルギー協議会の事務局長を務めている。もちろん、「誰か」には孫氏に代表される日本の投資家に加え、外国の投資家も含まれている。

 ところで、「ショック・ドクトリン」とは、カナダのジャーナリストであるナオミ・クラインが2007年に出版した書籍のタイトルだ。戦争や自然災害など、国民が「ショック」を受けた状況を「活用」し、一部の投資家や企業家のみが特をする制度改革を成し遂げる手法を指す。再生可能エネルギー特措法は、原発事故という「ショック」を利用し、「日本に原発は不要だ」「再生可能エネルギーを推進するには固定価格買取制度を実現しなければならない」という方向に世論を誘導し、さらに元々「反原発」派であり、福島第二原発の事故処理に失敗した当時の菅直人首相に近づき、制度を成立させた「ショック・ドクトリン(大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革)」なのである。

 当時を思い出してほしい。2011年6月2日。菅首相は内閣不信任案を突き付けられ、民主党の一部も賛成に回り、退陣目前だった。民主党の代議士会では、鳩山由紀夫前首相が、菅首相は「復興基本法成立」と「第二次補正予算編成のめどが立つ」ことを条件に、退陣することで合意したと発言した。

 とはいえ、国会で内閣不信任案が否決されると、菅氏と鳩山氏は「退陣すると言った」「いや、言ってない」と醜い争いを始める。最後には、鳩山氏が菅氏を「ペテン師」呼ばわりするに至った。

 さて、菅氏を動かしたのは「誰」なのだろうか。ちなみに、「一定のめど」発言の少し前、6月15日に菅首相は、「再生エネルギー法案が成立するまで辞任しない」と明言し、孫正義氏から「その粘りで法案可決にもっていってほしい」と激励されている。我々日本国民は、ものの見事に「ショック」を利用され、自らの所得を再生可能エネルギー関連企業および投資家に「移転する」制度の成立を見過ごしてしまった。

 その影響を最も強く受けたのが風力発電による空気振動被害者である。レント・シーキングとしてはメガ・ソーラーも風力発電と同様なのだが、決定的に異なるのが、風力発電は発電機周辺の広域にわたる住民を、死に至らしめるのだ。即ち、風力発電機で発電した電気はヒトの生き血を吸っている。

 その一方で環境保護活動家や理工学関係者がこの問題に容喙することで低周波空気振動被害の専門家として生計を立てることを社会は認めてしまっている。つまり環境保護活動家や理工学関係者がCO2削減、再エネ推進を標榜して音源を作り、被害者が出ればそこへ専門家面をして乗り込んで被害を否認したり肯定したりして、擾乱を招いている。

 ところが彼らは、低周波空気振動被害に於ける肝心要の重要なポイントは決して明らかにせず、隠したままだ。第一に騒音や振動と違って、低周波空気振動被害は生死に係わる疾患であり、その専門家は医師以外にはないのだが、理工学関係者は「閾値からは被害は考えられない」と言ったり、「音源側と交渉して被害を解消した」などと自身が播いた種を摘み取っているだけなのに、恰も自身の活動の成果でもあるような主張に摩り替える。

 低周波空気振動被害者の生活空間では色々なことが起きる。なかでも酷いのは国家が環境保護活動家や理工学関係者がデジュールスタンダードの作成にまで容喙・介入することを自ら求め、是認しているのだ。

 

デジュールスタンダード

 デジュールスタンダード(de jure standard)は、標準化団体によって定められた標準規格のことでその代表格はJISやISOである。

 JIS「日本産業規格(Japanese Industrial Standards)」は、産業標準化法に基づき、認定標準作成機関の申し出又は日本産業標準調査会(JISC)の答申を受けて、主務大臣が制定する規格であり、日本の国家標準の一つである。JIS(ジス)またはJIS規格(ジスきかく)と通称されている。

 1949年以来、長らく日本工業規格と呼ばれてきたが、法改正に伴い2019年7月1日より改称された。

 デジュールスタンダードに対立する概念として、事実上の標準であるデファクトスタンダード(de facto standard)がある。実際にはデファクトスタンダードを標準化団体が追認することでデジュールスタンダードとなる場合もある(Shift JISなどが代表例)。

 ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称だ。ISOの主な活動は国際的に通用する規格を制定することであり、ISOが制定した規格をISO規格と言う。ISO規格は、国際的な取引をスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしましょう」という国際的な基準であり、制定や改訂は日本を含む世界165ヵ国(2014年現在)の参加国の投票によって決まる。

 身近な例として、非常口のマーク(ISO 7010)やカードのサイズ(ISO/IEC 7810)、ネジ(ISO 68)といったISO規格が挙げられる。これらは製品そのものを対象とする、「モノ規格」だ。

 一方、製品そのものではなく、組織の品質活動や環境活動を管理するための仕組み(マネジメントシステム)についてもISO規格が制定されている。これらは「マネジメントシステム規格」と呼ばれ、品質マネジメントシステム(ISO 9001)や環境マネジメントシステム(ISO 14001)などの規格が該当する。つまり、「ISOマネジメントシステム規格」とは、“ISOが策定したマネジメントシステムに関する規格”ということになる。

 しかし、JISもISOも人間の規格ではないし人間には規格は無い。にも拘らず、低周波空気振動被害についてはISO-7196「感覚閾値」が適用されて低周波空気振動被害は否定される。

 人間の苦しさや痛みを、机や椅子、ネジ規格やマネジメントシステムと同様の基準で十把ひとからげにして判断するという手法が低周波空気振動被害者の悲劇の根源である。

 2011年1月12日 特定非営利活動法人 低周波空気振動被害者の会は内閣総理大臣 菅直人宛てに『抗議書「低周波音被害者の人権保護のために」』を、翌1月13日『抗議書「低周波音被害者の名誉のために」』を内容証明した。

 

内閣総理大臣 菅 直人 様

抗議書「低周波音被害者の人権保護のために」

粛啓

 自然冷媒ヒートポンプ給湯機(通称エコキュート)や現在主力の3枚翼大型風力発電機など、政府が推奨する機器が原因の低周波音被害が多発し、低周波音被害者の人権が否定され蹂躙されていることに抗議し、以下の施策を早急に実施していただくよう請求します。

1.内閣府に於いて「低周波音曝露対策推進会議」を開設すること

2.参照値(骨導音要素を排除した聴覚の感覚閾値などを含む)を撤回すること

3.自然冷媒ヒートポンプ給湯機(通称エコキュート)をリコールすること

4.現在主力の3枚翼大型風力発電機をリコールすること

 昨年2月以来、経済産業省に対して繰り返し「自然冷媒ヒートポンプ給湯機(通称、エコキュート)」のリコールを請求してきましたが、理論値も実測値からも低周波音加害源である「3枚翼風力発電機」についてもリコールを請求します。

当会は、低周波音被害の社会的認知及び低周波音被害症例を医師に届けて、その知見を集積することを大きな目標として活動し、Web上で被害者からの相談を受け付けています。低周波音被害に遭遇したときに、事情を傾聴する窓口がどこにもなく、被害者は途方に暮れるのみ、多くの場合は泣き寝入り状態に陥ってしまうからです。

 特に、昨今は政府の指針が機器装置の静音化とCO2排出量低減一辺倒となり、国土交通省や経済産業省そして環境省は低周波音加害源の増加を促進するのみで、被害者の置かれる過酷な状況を掬し、被害者を救い出す努力を、30年以上その姿勢すら見せなかったことが、現今の惨禍を招いています。環境省や国土交通省や経済産業省は、被害は無いとして被害者の発言を封殺してきたのですから、低周波音被害の拡大の責任は政府にあります。

それ故に当会は、低周波音被害問題の主たる所掌を、環境省から内閣府へ移管し、「犯罪対策閣僚会議」において「銃器対策推進会議」及び「薬物乱用対策推進会議」と同様に「低周波音曝露対策推進会議」を設置すること、及び、環境省が平成16年6月22日「低周波音問題対応の手引書」で示した所謂「参照値(骨導音要素を排除した聴覚の感覚閾値などを含む)」の撤回を請求してきました。

 銃は標的とした生物を射殺すためにあり、包丁は犯罪に悪用されることがあります。しかし人工的な低周波音も、極少数のヒトに照準を合わせ、生活も人格もその全てを奪ってしまうハードエアガン、即ち弾丸を空気振動に代えた武器なのです。的となった生き物に凶器が到達したとき、即座に血が流れて生命が失われるか、銃との違いはそれだけです。

必要な電力を賄うためには、発電用の原子炉を今直ぐ停止することはできません。料理を主目的に使用する包丁を無くすことはできないし、テロなどの凶悪犯罪を制御・制圧するためには銃も欠かせません。しかし、新しい技術によって、風力発電機や自然冷媒ヒートポンプ給湯機(通称エコキュート)等の低周波音は極簡単に防止できるのです。

例えば、風力発電では、東北大学石田秀樹教授が手掛ける、トンボの翅の構造を応用した風車で、室内の上昇気流を利用した発電も具体化し、2010愛知環境賞で名古屋市長賞を受賞した「トルネード型風力発電装置」は、大型で無騒音無低周波音を実現しています。

 無用の振動を発生させなければ、家屋内やビルの屋上で発電して地産地消を実現できるのですから、敢えて空気振動被害を生じる大型3枚翼風力発電機を、建設する理由は消失していて、限られた地域にしか残されていない日本の豊かな自然を破壊せずに済みます。愛媛県伊方、高知県葉山や徳島県大川原の風力発電施設を一目見れば、巨大風車がどれほど自然を破壊しているかが分かり、生態系を著しく傷害している懸念を抱かせます。

 被害実態把握とそれに基づく音源対策を含む被害者救済を制度化する必要がありますが、何よりも火急の施策は、相談窓口「低周波音被害相談ホットライン」の開設です。「低周波音曝露対策推進会議」に於いてこれを実現し、被害者の生の声を傾聴集積すべきです。

 昨年、長野県佐久市で低周波音被害者であると判断すべき苦情者が措置入院の憂き目に遭いました。措置入院とは、精神保健福祉法29条の定によって、精神障害者に対してなされる、「ただちに入院させなければ、精神障害のために自身を傷つけ、または他人を害するおそれがある」として都道府県知事または政令指定都市の市長が、精神科病院等に強制的に入院させる制度です。低周波音被害者は精神障害者ではありません、外因性の疾患です。

 低周波音被害者はこうして、その声を挙げることも封じられ、一層の窮地に追い込まれることになります。大抵の被害者は加害源を承知していて、被害対策としてマスク(ラジオやテレビ、CD等を利用して、被害を与えている空気振動以外の騒音やオトを加えて被害感覚を低下させること)効果を得るために、音量を大きくすることなど、加害者に対抗することは常ですから。

 被害を与えている低周波音は、専用計器で計測し精査しなければ誰にも確認することができない極低レベルにしかなく、一般環境ではなく住宅限定の特殊な環境で発生しています。音源近傍では発生せず、周辺の受音側で発生する、その条件での僅かな抵抗は、他者には聞こえ無いオトに対する反応ですから、相手側にも行政員にも意味不明の嫌がらせ行為をする精神異常者と映ってしまいます。

 相談内容に基づき、症状を医師が、低周波音の発生状況を計測器が確認し、その上で医師が外因である低周波音による被害だと認定すれば、そこで音源対策を電気、機械、土木等工学関係者が対策すること、一次避難先を確保することなどが必要になります。また、医師が低周波音による影響と判断できなければ、そこには低周波音症候群被害はなく、自律神経失調症の患者が居たということになります。

 当然のこと自律神経失調症=疾患の認否は医師がすることですが、外因性自律神経失調症は外因たる機器が原因ですから、製造者及び設置者を含め当該機器の管理責任を糺すことになり、厳格な判断基準を問われる医師の診断も得られにくい側面があります。しかし、ガスや石油などの不完全燃焼で生じる中毒死の凶器は一酸化炭素であって、燃焼機器の製造物責任を問われ、当該機器はリコールの対象とされます。風車やエコキュートが発する被害の凶器は〝低周波空気振動〟ですが、この製造物責任を問わない理由はありません。

 政府インターネットテレビで今、「木づかい『森を育てるエコ活動』」を放映していますが、銃器や薬物乱用と同レベルで、低周波音被害の相談窓口があることを知らしめておけば、被害から逃れる見通しの持てない被害者の苦痛は軽減します。

医学的知見を排除した基準値紛いの感覚閾値や参照値は工学士の手で、家庭内に於ける長期曝露の結果として発症している被害について、ヒトに対する長期間の実験はできないからと、単に聴力検査程度の分単位の、なおまた骨導音を排除した捏造実験を基に策定されました。科学的裏付けを持たない数値を流通させれば、被害者を救えない、と繰り返す汐見文隆医師の諫止を振り切ったのです。汐見医師は低周波音被害の世界的権威です。

その参照値を拠り所に多くの低周波音被害者と音源機器が放擲され、風車やエコキュート等の低周波音加害源が普及した結果、医師が危惧した通りに、更に多数の低周波音被害者が発生したのです。即ち、国家が一般国民を対象に無差別の低周波音長期曝露実験をした結果として、医師の意見が正しいことが立証されたのですから、汐見医師の意見に従う外ありません。

 しかも、国民には人体実験をするとの告知は無く、夜間は自宅から離れられない被害者の自由を奪った条件下のもと、肉体的・精神的に痛めつけて、化石燃料の節約及び二酸化炭素排出量低減を国家の意志であるとする、加害者の要求に従うように強要したのです。低周波音被害者は、国家によって黙従することを余儀なくされた、これを拷問と言います。

医師の見解に承従できないなら、理由は明確にしていただかなくてはなりません。結局はヒトに対する長期曝露実験はできないのですから、新たに実験をする理由はなく、これ以上の低周波音曝露実験は血税の無駄遣いです。平成22~24年度予算(4000万円/年度)で「風力発電等による低周波音の人への影響評価に関する研究」が橘秀樹氏(千葉工業大学附属総合研究所)によって進められています。例によって、この種の騒音については科学的知見が乏しいのだそうですが、例によって、工学系の先生の主導で、自律神経失調症状を数値化できるとでも楽観できますか、工学士が所掌することが非科学的なのです。

 残酷なことに、音楽家の職業生命が奪われようとしています。音楽家は、特別の聞こえと表現力を合わせ持った、選ばれたセンスをもつ者のみに許される職業です。低周波音に依って耳が痛いと主張する音楽家に対して、音源の駆動と聞こえが一致するか否かの低周波音曝露実験の被験者にしようというのです。低周波音を浴びると耳が痛いという被害者に対する暴行を、医師でもない公害等調整委員会の職員が無理強いしようとするのです。

 〝痛い〟という生き物の感覚は、それ以上何らかの圧力が加わってキズを負うことを回避する信号です。〝痛い〟という皮膚や肉や内耳を損傷しないための生体反応を否定して、万が一にも、〝聞こえ〟に異常が発生しては、オトの専門家である音楽家がライフスタイルの変更を余儀なくされることとなってしまいます。外部から体に受けた傷のことを「外傷」といい、体表の傷ばかりでなく、骨折・内臓破裂なども含めていうのです。

 低周波音被害を認知し証明できるのは医師以外にありませんが、音源駆動を止めるか、音源から遠離することで被害は消失しますから、音源対策は低周波音源の駆逐撤去を並行して逐次対策する必要があります。また、工学士の手を借りなければ加害現象としての低周波音の記録を得ることができない時代が長くありました。それ故に工学士に分があり、掛かるが故に医師の識見が排除されてきた経緯があります。

 長野県佐久市でのように措置入院を強いられた被害者を含め、横浜市営地下鉄や安心院町の工場、鎌倉市の携帯電話基地局、豊中市のコンビニエンス・ストアに起因する低周波音被害者の名誉回復と経済的補償の獲得も至急実現しなければなりません。早く、低周波音被害問題を工学士から医師の手に、更には被害者の手に戻せることを願っています。

                                              謹言

 

内閣総理大臣 菅 直人 様

抗議書「低周波音被害者の名誉のために」

 環境省が、平成22年2月22日中央環境審議会答申「今後の環境影響評価制度の在り方について」に於いて、「風力発電施設の設置を法の対象事業として追加することを検討すべき」とされたことに抗議し、後述の理由により反対の意を表します。

また、環境省が主催する、第三回「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」に於いて、低周波音症候群被害者の会(窪田泰)「以下、当会と記します」が作成した著作物が無断使用され、且つその一部を抽出するなど改竄されていることで、当会とは全く異質の主張となり、当会の名誉が毀損されたこと、及び当会の著作物に対する知的著作権を否認するという行為をもって、当会の活動が妨害されていることに強く抗議します。私は現在も、東京都及び東日本旅客鉄道株式会社によって低周波音曝露を受け、被害を忌避できない環境下で活動しています。

巨大風車をアセスの非対象とすべきです

 単にカザグルマを巨大化しただけの、現在主力の3枚翼風力発電機は低周波音被害を生み出す為、自然破壊する為だけの武器ですから、その建設を奨励し、合法化する行為に断固反対します。風力発電施設を環境影響評価の非対象とすべき理由は次の通りです。

1.環境影響評価とは(風力発電)施設を開発することが目的である

2.技術革新により騒音も低周波音も発生しない大型風車が開発されている

3.風力発電機に起因するヒトの低周波音被害は医師による調査を終えている

 今、風力発電施設及び風力発電機について国家が遣るべきは、

1.今後、巨大3枚翼風力発電機を一基として構築しないと宣言すること

2.現在、何らかの苦情が発生している3枚翼巨大風車を一旦稼働停止すること

3.巨大風車周辺の野生生物の生態調査をすること

4.残骸の処分と、失われた自然の原状回復について検討を開始すること

  行政職員の胸座を掴んで抗議した南あわじ市の被害者、「ここは地獄になった、なんとかしてください」とTVカメラの前で事業者に悲痛に叫んでいた伊方町灘の被害者や、両親を相次ぐ突然死で亡くした伊方町与侈の被害者が、一基たりとも風力発電機の建設を甘受することはありません。

ヒトにとっては風車から住居までの遠離距離は重要なことであるかもしれないが、伊方町に棲むイノシシ、南あわじに棲むタヌキ、銭函砂丘に咲くハマナスにとってみれば、どれ程の意味もありません、巨大風車に依って我が家を、我が寝床を奪われてしまうのです。

 低周波音被害者が、現在主力の3枚翼風力発電機を一基といえ、その建設を看過することはありません。既に、翼が取れて塔のみになったり、破損した翼を展示物とするために更なる自然破壊が進んでいる現下では、腐朽することが無い残骸となった巨大風車をどのように解体し処分するか、毀損された自然の回復を如何に図るか、これこそが被害を解消すること、新たに被害を生み出さないことと共に、大きな課題です。

 環境影響評価とは、開発が環境に及ぼす影響の内容と程度および環境保全対策について事前に予測と評価を行い、保全上必要な措置の検討をすることだから、開発することを前提に、その影響を極小化しようとする考えです。例えると、銭函砂丘に現在主力の風力発電用3枚翼大型風車を20基建設する計画を10基に制限するようなことです。

また、現在主力の風力発電用3枚翼巨大風車は、膨大な空気振動(騒音・低周波音)を発生するが故に、都市部では受け入れられないことから、過疎地に建設することになり、深刻な自然環境破壊を起こしていますが、東北大学石田秀樹教授が手掛ける、トンボの翅の構造を応用した風車で、室内の上昇気流を利用した発電も具体化し、2010愛知環境賞で名古屋市長賞を受賞した「トルネード型風力発電装置」は、無騒音かつ無低周波音を実現していて、地産地消を実現できることが分かっています。

 そして、低周波音被害の世界的権威である汐見文隆医師の長期の研究で、凡そ40Hz以下の人工的な空気振動は深刻な低周波音被害を与えることが判明しており、風車被害について、愛知県田原市、愛媛県伊方町、静岡県東伊豆町では汐見医師自らが調査をし、この被害地での追加調査に加え、愛知県豊橋市、兵庫県南あわじ市で低周波音症候群被害者の会が、同医師の指導の下で調査し、多数の症例の報告書を届けています。

 田原市、豊橋市は各1例、伊方町三崎灘で4例、伊方町与侈で3例、東伊豆町で17例、南あわじ市では4例の症例を調査し、その殆どを低周波音症候群被害事例報告会で共有してきました。

 例えば、静岡県賀茂郡東伊豆町では、2008年3月28・29日に調査しました。10軒のお宅で計測し、都合14名が汐見医師の問診を受けましたが、当日の稲取に於ける風況(平均風速、最多風向)は、3月28日 1.9 m 南西、3月29日 2.1 m 南南西で、皆さん「今日は楽だ、久し振りによく眠れた」とのことであり、汐見先生も「この計測結果では被害があるとは言えません」と繰り返しておいでで意見が得られませんでしたから、落雷で風車が破損したことで長期休止していたこともあり、2009年3月以降に低周波音レベル計NA-18Aを配送し、計測作業者に細かく指示をして調査を続けました。

 私が東伊豆在住者の為に作成した調査報告書は2009.03.17を最初に、都合14通10例を報告しました。これ以上の風力発電機近傍での低周波音被害の調査が必要なら、その理由は明確にされなければなりませんが、低周波音被害について、外因性疾患として診断した医師は数少なく、1例を除いて全て汐見医師の長期調査の識見に基づいています。どうしても個々の調査が必要なら、汐見医師に依頼するか指導を受けるかしかありません。

巨大風車は塔・翼・ナセルで総重量400㌧程にもなり、地中にも数百トンのコンクリート塊があります。伊方町でも南あわじ市でも、風車被害者は皆、「風車を引き抜いて元通りの自然に復元してくれ」と言っていますが、復元が可能かどうかは難しいことで、巨大風車を構築するよりも、遙かに大きい経費が必要かもしれません。経済効果がたっぷりと得られるよう、費用も時間も掛けていただいて、自然破壊の当事者である、官吏や発電事業者に責任を持って回復作業に従事してくださるよう求めることになります。

 尚、当会は、昨年1月、伊豆に配送した低周波音レベル計NA-18Aを毀損され、その事後処理も放置されたことを契機として以後、風車起因の低周波音被害調査をしていません。

 

国家による業務威力妨害について

 環境省のHP「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」<http://assess.env.go.jp/4_kentou/reportdetail.html?kid=523 >に於いて、第3回 平成22年12月9日 議事次第・配付資料の中に「エクセルで作成されたグラフ」が使用されていますが、<http://assess.env.go.jp/files/0_db/contents/0523_12/mat_3_6-4.pdf > このグラフは、2009.04.22付で、汐見文隆医師に当会が報告した「苦情者宅に於ける風力発電用大型風車起因の低周波音に関する調査報告書」(別添資料1)のグラフを、足利工業大学の風車の権威であられる牛山泉学長からお招きを受けて、当会の活動の一環として被害の一例を報告する為、スライド用パワーポイント(別添資料2)に転載したものであり、しかも、その内容が改竄されています。その結果、当会とは全く異なった主張になっていて、しかも、巨大風車をアセス対象とせざるを得ない状況に追い込まれた環境省に、被害者からも賛意を得たと、恰も低周波音被害者が言質を与えたことになっています。

 重大な名誉棄損であり知的所有権侵害ですから、直ちにこれらの配布物をWebから削除してくださるよう、2010年12月28日に「環境省総合環境政策局環境影響評価課伊藤貴輝審査官」に伝えてありますが、未だに掲示されたままで放置されています。ヒアリング対象者の人選も不透明であることを伝えてありますが、これまでに返事はありません。

極少数を除き低周波音症候群被害者は孤立します。反面、家族内にも近所にも被害者は自分一人、孤立していることが、医師の被害判断の一条件にもなります。風車被害のように、複数の苦情者が居て、多数の支援者も居て、衆を頼みに活動することはできません。

 音源駆動を停止する、或いは音源を移設撤去することで被害は消失しますから、低周波音被害対策に医師の叡智は無用であり、工学士や交渉人が専門家であるとする、特定非営利活動法人日本消費者連盟のような活動も、個別の被害を解消するとの意味で成立します。

 しかし、病気の専門家が医師ではないと宣言する苦情者を医師は診断できませんから、苦情者に何らかの健康被害が生じたとしても、それは疾患=病気ではありません。騒音振動被害と同様に工学士が専門家であって、汐見医師は低周波音被害の専門家ではないとする「日本消費者連盟」や「風力発電全国情報ネットワーク」には複数回抗議してきましたが、伊豆の風車反対活動家は「風力発電全国情報ネットワーク」の主要なメンバーです。

職場の昼時に「今日は和食にする、それともイタリアン?」と聞かれて、「じゃ和食にしようか」、「うん、イタリアンにしよう」との返事の他にも、「君とは昼飯を共にする予定が無いね」との選択肢があることを低周波音症候群被害者は知っています。

 巨大風車をアセス対象にする為には、環境省の意に沿う発言が必要だからとして、低周波音症候群被害者の声を封じることに抗議し、今後、巨大風車を決して建設しないことを低周波音症候群被害者の会は請求します。

 尚、環境省発表『平成21年度移動発生源等の低周波音に関する検討調査等業務報告書(平成22年3月)』でも、既に〝参照値〟は風車被害に適用しないことは、環境省の方針ですから、低周波音被害者が風車被害を限定にして参照値の非適用を求めることはありません。全ての低周波音被害に対して使用しないよう撤回すべきものであることは、『平成23年1月12日総理大臣 菅直人様 抗議書「低周波音被害者の人権保護のために」』他で、繰り返し述べている通りです。

                                                  謹言

無論、このような被害者の問いかけに返事は無い。

 再生可能エネルギー特別措置法を通して、固定価格買取制度を導入した結果、電力サービスの消費者である一般の家庭や企業の所得の一部が再生エネルギー発電事業者、あるいは投資家へ賦課金という形で吸い上げられていく。これぞ完全な[レント・シーキング]だ。

 しかも、再生可能エネルギー特別措置法は、規制緩和ではなく、むしろ「強化」だ。

太陽光や風力などで発電すると、需要を無視して、「政府の法律によって、電力会社が固定価格で『必ず』買い取りますよ。最終的にツケを支払うのは消費者ですけれどもね」というわけで、これほどまでに市場原理に逆らった制度は思いつかない。

 不思議なことに、日ごろは「市場競争!規制緩和!」と叫ぶ権造改革主義者たちも、なぜか再生可能エネルギーの固定価格買取制度には沈黙している。太陽光発電や風力発電に投資をすると、市場競争とは無関係に電力会社が「固定価格」で買い取ってくれるなど、究極の「既得権益」ではないか。

 政府が法律で「既得権益」を生み出したにもかかわらず、なぜ、「即刻、法律を改正して既得権益をぶち壊せっ!」と言わないのか、まったく不思議である。

 しかも理工学関係者や環境保護活動家、そして法律家は風力発電のみならず低周波空気振動被害によって深刻な人的被害が生ずることを充分に承知している。しかし日本科学者会議やNHKなど多数のメディアは決してこの被害の存在を国民に知らせないし、被害者救済の活動を進めようとはしない。

 低周波音被害は不眠時に音源駆動があれば、深刻な被害となって睡眠影響としても顕在化するが、中核症状は〝痛くて苦しい〟ことであり〝イライラ〟する〝急性ストレス障害〟を起こすのだが、この被害の専門家は医師ではなく、理工学関係者だとする活動を推進してきた日本消費者連盟や日本弁護士連合会、日本科学者会議などが自己の活動を正当化する為だけに、福島瑞穂議員や川田龍平議員等国会議員をも巻き込んでこの被害を弄んできた。

 自身の被害の専門家が医師ではなくて理工学関係者であるなどと被害者が言う筈は無いのであって、このような虚言者の活動の結果が低周波音苦情者は精神疾患者だとする環境省の見解をピカピカに磨きあげてきたのだ。

 日本消費者連盟は、音響コンサルをこの被害の専門家扱いする虚言者を集め、2009年5月2日「低周波音と身体へおよぼす生理的影響はなぜ起きるか!」を開催し、オトシンアップキープなる加害者集団を助勢する活動を始めた。

これについて平成23年10月10日以下を内容証明し抗議をしたが、返事は無い

 

特定非営利活動法人 日本消費者連盟 富山 洋子 殿

                                    低周波音症候群被害者の会 代表 窪田 泰

通告書

 現代社会に於いて、よく知られている専門家は医師、弁護士、そして建築家などです。専門家とは、高度な専門的知識を有し、長期間、高度な鍛錬を行い、不特定多数に責任を負う、ことを要件とした社会的存在で、医師がその典型的な例です。医師は、病人を治療することについての高度な専門的知識を得るために、通常の教育より若干長期間にわたる教育を受け、例えば、社会が教育に「ゆとり」を求めても医師教育はその枠外におかれます。それは専門性を持つために必要な教育は一般的な教育とは質的に異なるとの断固たる信念に基づくものであり、それを社会も支持しています。そしてインターンの時期やその後の予備的な経験を通じて「一人前の医師」になるための鍛錬を積みます。他の教育より長い鍛錬が受け入れられているのは、医師の専門性について社会が認知しているからです。

 やがて一人前になった医師は独立して病人の治療に当たります。そしてその専門性の発揮に当たって、医師は雇用主や依頼主の意向とは無関係に医師本来の任務を遂行します。例えば国立病院に所属し、国家から給与を受けている医師においても戦場に出向き負傷した敵兵が野戦病院に担がれてくれば、「敵兵」であるという特定の枠組みにとらわれず、「人類」という枠組みの中で治療を行います。味方の軍隊がまさに敵兵を殺害するのに懸命である場合においても医師が敵兵の命を救うことに疑問を感じない、それは「命を守る」という医師の専門性の発揮が「国家」という制約より上位にあることを示していると考えられます。営利を目的とする理事長が経営する病院に勤務する医師も「治療」という専門的行為をするときには上司である理事長の許可を必要としません。

 多数の低周波音症候群被害者を生み続けている、現在主力の巨大3枚翼風力発電機や、エコキュートに代表される深夜未明或いは長時間運転を前提に駆動する、コジェネ(熱電併給)型のエコウィル(ガスエンジン給湯器)、エネファーム(家庭用燃料電池)などの、所謂エコ機器は、電気、流体力学、内燃機関、通信、材料疲労などの関連する工学が高度に組み立てられています。

 航空機で考えると、機体を設計し、制約のある材料を選択し、計器を整え、安全性を備えた機体を製造し、その運航に対して整備、操縦、安全管理技術を要して、それが全て満足して「重量物を運ぶ、発電をする、発熱し貯湯する」という所期の目的が達成されます。

 では、これら最先端の専門的知識を有機的に機能させているシステムのどの分野に医師は関与できるのか、これら機器装置の不具合に、関与できる医師はいるのでしょうか。そうでなくても、大病院では3間分診療などと揶揄されるほどに、極めて多忙な日常を送っている医師に、与えられた時間は限られています。音源駆動が原因なら、それを止めれば被害は無くなるのだから、医師の問診を受けるまでもない、医師の貴重な時間を奪わなくても済む、との考えも成立します。

低周波音被害者が苦情をすると、加害者が必ず言う台詞があります。

「診断書を持って来い」と。

 「診断書」は医師がヒトの健康について診断した結果を書いた証明書のことであり医師以外には発行できません。加害者から「音響コンサルタントを呼んで来い」と言われた例は、終ぞ聞いたことがありません。

 人的被害の有無についての判断を医師がすることは、世の習いであり、至極当然のことですが、加害者の意図するところは、「低周波音被害についての医師の意見は、簡単には得られないぞ、あるのなら見せろヨ」との意味が含まれています。

音響コンサルタントを自称する商売人は高額の鑑定書を作成しますが、医師ではない、それも工学士に、低周波音被害者は自らの人的診断書を求めなくてはならないのでしたか。水俣病やイタイイタイ病、四日市ぜんそくを訴える被害者について、医師以外の者が診断した事実がありましたか、低周波音被害と同じく、環境過敏症と言われる化学物質過敏症も電磁波過敏症も、報道媒体に登場する専門家は全て医師ですが、低周波音被害だけは工学士が専門家である理由はありますか。昨年暮れにはエコキュート被害交渉料は50万円と言われていたが、診断書作成に要する費用は幾らですか、健康保険は効きますね。

 国家は、低周波音によるヒトの深刻な健康被害を認めない為に、医師の関与を否定してきました。国会議事録にも記録されていることは、既報の通りですが、今日でもそれは変わりません。風車被害地の調査をしたことも無い、労働安全衛生研究所の高橋幸雄氏は、低周波音被害の専門家然として、低周波音レベル計を持ち込んで、風車起因の低周波音被害は生じないと虚言しました。健常者が活動する労働環境に於いて生じた低周波音症候群被害は1例もありません。低周波音被害は一般環境にも、健常者を対象とする労働環境にもなく、病気療養や何らかの条件で労働できない人、子供や高齢者が暮らす空間であり、労働で疲憊した心身を回復する為の家庭という特殊な環境、即ち労働環境に比して数倍厳格に保護しなければならない住環境で生じます。

 低周波音被害者には「音響コンサルタントには絶対に計測させるな」という、合言葉があります。低周波音被害者は低周波音を計測するについて、幾つかの理由で、自分自身でしかできないこと、そして音響コンサルタントに計測させたら、彼らの餌食となって彼らの懐を潤すだけでなく、症例を集積することができないことが分かっているからです。札束で張り裂けそうな財布を持って伊豆風車被害を偽装する連中や貴殿らとは異なり、我々低周波音症候群被害者には音響コンサルタントに払う銭は一円としてありません。

 音響コンサルタントが「行政員に低周波音を計測させてはいけない、私に任せなさい」などと身勝手に振る舞う理由は、コンサルタント自身が自分で計測しなければ手数料には在り付けなくなること以外にはありません。35年前、医師の診断に従って、我々工学士が対策をする、と活動する工学士が一人でも居れば、巨大風車やエコキュート起因等、大方の低周波音症候群被害者は生じていません。

 低周波音被害を生じている低周波音を記録するためには、低周波音被害者が扱えるほど操作も簡単で、優秀な低周波音レベル計が利用できるのですが、行政員に、低周波音調査を履行できるよう教育する立場にあるのは誰でしたか、それが何故実現しないのですか、今日の低周波音被害を生み、殆どの被害者が〝気のせい〟として扱われ、更なる被害者が増加してきた原因を作ったのは誰でしたか。そんなに低周波音被害者の行く末が気に掛かるのなら、交通費程度の実費で音源側との交渉をさせたらどうですか、嘗て社団法人日本騒音制御工学会の理事も務められた、その工学士に。

経済学者ジョーン・ロビンソンは、「学生諸君、経済学を勉強するのは、経済学者に騙されない為に、何処を誤魔化しているかを勉強するのだ」と大学で講義したといわれるが、「低周波音被害者は、低周波音で飯を食っている音響コンサルタントに騙されない為に低周波空気振動を学ぶ」のです。

 鹿児島県出身の原田正純医師は、水俣病と有機水銀中毒に関して数多ある研究の中でも、患者の立場から徹底した診断と研究で水俣病に関してもっとも詳しい医師であるといえます。「ギリギリ舞うとですばい。寝台の上で。手と足で天ばつかんで。背中で舞いますと。」そんな幾多の患者を診てきた専門家です。

 足は何箇所も折れ曲がり、満足に歩くことができない人、苦痛のあまり「痛い!痛い!」と叫び、診断しようと腕を取っただけで骨折してしまう女性、原因不明の奇病に苦しむ多くの患者達に、イタイイタイ病と命名したのは長崎県に生まれた萩野昇医師で(イタイイタイと呻く被害者を看護婦さんが〝イタイイタイさん〟と呼んでいた)した。

低周波音被害を偽装する者らが、低周波音被害の専門家は工学士であると主張し続ければ、益々意見し診断書を書く気力が失せるのは医師に限ったことでもあるまい。そうでなくても、加害源側や、工学関係者から反駁されれば、汐見医師同様に疎んぜられるのみならず、その責任を追及されるような窮地に立たされることさえ危惧されます。

平成16年6月22日、環境省環境管理局大気生活環境室発表の「低周波音問題対応の手引書」を検討したとされる「低周波音対策検討委員会」の委員長・時田保夫氏は、1979年に次のように語っています。

 「現在,苦情問題について多くの事例を集めている汐見氏の見解では,低周波音問題は健康人を相手にして得た平均値から評価値を出すことは意味がなく,低周波音を原因とする被害者がいる事実から出発して考えなければならないとしている。たとえとして,日本脳炎の発病者が1,000人に対して1人であるという事で,影響なしと考える訳にはいかないのと同様に考えるべきであるとしている。まことに低周波音問題の本質にふれた言といえよう。」

 32年前、低周波音問題を解決するには医学的知見、就中、汐見医師の意見が有益且つ不可欠であると発言していた時田氏と、貴殿や貴殿らが専門家と寵遇する工学博士とは、その知性、徳性は較べようもなく、我一人と抜け駆けを謀って責任逃れをするのみならず、唯一人の専門家であるかの如き態度からは、愧心が全く欠如していることが分かります。

低周波音被害の社会的認知を獲得する為に、低周波音被害者自らが作成した次の者らの低周波音被害調査報告書は、その全てを取り消します。葛飾の飯野、横須賀の児島、横浜の佐橋、仙台の大山、板橋の村松ら、この過酷な人的被害である低周波音被害の専門家が工学士であると虚言し煽動する、全ての者に対する当会の調査を取り消します。一体、誰がその一人一人の被害を認めたのか、誰の手に依って認められたのか、誰が被害消失を確認したのか、誰がその権限を有しているのか、最早、道理も条理も繊芥ほどもありません。

 貴連盟は、低周波音被害者の問い掛けに一度として応えることなく、環境省や学会と共に、報道媒体に於いても工学士が低周波音被害の専門家と処遇されることを、無反省に放擲してきました。その事実を、茲に通告します。

気紛れ同然の、千慮無き行き掛りの振る舞いが齎す、大いなる罪過を社会に問わなくてはなりません。

低周波音症候群被害者から、青春宛らに低周波音被害の解消を我が使命と燃え立つ心で、唯一人闘ってきた汐見医師に対する信頼を、奪えるものなら奪って見給え。

                                                以上

 ショック・ドクトリンを利用したレント・シーキングは見事に開花し、単に消費者が費用負担して投資家たちにレントが提供されるだけでなく、低周波音被害者は国家の犠牲となった自覚はないまま、生贄となって再生エネルギーなる化け物に生き血を啜(すす)られ、その〝命〟が形を変えてレントとして提供される。そこには、低周波空気振動被害者の〝苦しみや痛み〟〝命〟と引き換えに、孫正義氏に代表される投資家たちや理工学関係者にはレントが提供される仕組みが構築されている。

                                                以上

 

 

 

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