特定非営利活動法人
低周波空気振動被害者の会
国家は低周波空気振動被害を事故扱いし、その責任回避を企てている
決して許してはならない
09 March 2020
FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)解析とパターン計測
低周波音の被害は、受音側での判定とは異なって音源に発した空気振動が空中或は筐体(柱や梁)を媒質として受音側に到達して被害が生じる。
従って受音側での判定だけでは音源との関係性を指摘することはできない。
その為には、音源確定に発したインフルエンスが受音側の被害にインフルエンスとして成立していることが不可欠なのだ。
空気振動が「この音源から空間を突き抜けて受音側へ伝搬した」ことの証明には次の三要素が欠かせない。
①.インフルエンス(影響力 Influence ) 周波数(Hz)&デシベル(dB)で示される卓越の継続
②.ポジショニング(空間的配列 Positioning )音源と受音点の計測器の位置関係(必ずしもなくてはならない要件ではないが、ある方が各段に分かり易い)
③.タイミング(時間的配列 Timing ) 音源で空気振動が生じた時刻に受音側で空気振動に変動を生じているか
風力発電で考えると、当然のことながら風が吹かなければ空力音は生じない。
風車を建設しただけでは風車は回転しないし、回転しなければ空力音は発生せず、被害にはならない。
youtubeやフィンランドの環境医学協会の調査結果は、それなりに権威がある団体の調査結果のようではあるが、インフルエンスは明示されていない。空気振動が音源から到達していることの関係性証明に推論としてFFT(傍証:間接証明にすぎない)を使用しているだけである。
音源に発した周波数&音圧レベルらしいものも示されてはいるが明示はなく、受音側にもそれは無く、権威ある団体の調査だから疑問を差し挟まないように、異議をとなえ無いようにと、言わば内容を考えないようにと計られている。
これでは、何処で空力音が発したのか、到達地は何処なのか分からないという外ない。無論何キロ到達したかなんて分かる筈がない。
音源(加害者)側は被害者が、このような訳の分からないDataを基に発言することを、物事を思慮しないことを待っている。
環境省は「低周波音防止対策の考え方」において、「低周波音に関連すると思われる苦情が発生した場合、苦情発生の状況を把握するとともに低周波音を測定し、1/3オクターブバンド周波数分析(必要に応じて狭帯域周波数分析)を行い、音圧レベルの概要を知る」とし、狭帯域周波数分析「FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)解析」を示している。
FFTとは、DFT (Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換) を計算機上で高速に計算する算法(アルゴリズム)のことで、ある空間のある時間に於いて存在した振動周波数を狭帯域で表示する分析法であり、直接の証拠とはならないが、その証明を補強するのに役立つ証拠であって間接的証拠である。要するに周波数を狭帯域で示すことであり、詳細な調査とは言えない代物だ。
空気振動は距離(空気抵抗)や構造物によってエネルギーは減衰して、音源から被害地へと伝搬する。
低周波音源に囲まれて生活している、現在の庶民はFFTに依る結果だけでは音源との関係性を証明出来ない。背景のオトが10dBも20dBも異なるからだが、受音側と音源側には元々存在する背景のオトが全く異なるのだ。
音源の到達には、加害しているインフルエンスを明確にして、そのインフルエンスが受音側でも確認することが必要である。
そもそも90㎞離れた地点に計測器を配置して計測することは、東京の中央区に発したオトを伊豆の伊東市や栃木県の佐野市で観測するに等しいのだが、そんな空気振動が何処から来たのか、という話にしかならない。要するに極めて特殊な事例に過ぎない。
問題は、FFTでの調査が、パターン計測という直接証明を実施しない理由に利用されているのだ。その結果が平成26(2014)年12月26日の「家庭用ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生したとの申出事案」、平成29(2017)年12月21日「家庭用コージェネレーションシステムから生じる運転音により不眠等の症状が発生したとされる事案」の消費者庁の調査だ。直接証明を実施しないから100万台につき、1件の低周波音被害ということにされてしまっている(事故調の調査には、この点以外にも多数の問題がある)。
風車のインフルエンスはローターの回転に伴い、空力音が生じ周辺に被害を与えることが分かっている。
仮に3rpmでローターが回転すると0.15ヘルツ(1/3 Octave Bandでは0.16ヘルツ)にインフルエンスが生じて、2266.667m(1/3 Octave Bandでは2428.571m~1888.889m)の波長の空力音が発生する。そこで7波(経験上把握できた数値)が到達すると考えると、2428.571m×7波 = 17,000m から 1888.89m×7波 = 13,322.23m 0.15ヘルツでは15866.66667×7波 = 15866.66667m に到達する空力音となる。
周波数 波長(m) ×7(m、到達距離)
0.14 2428.571 17000
0.15 2266.667 15866.66667
0.16 2125.000 14875
0.18 1888.889 13222.22222
1 340.000 2380
1.6 212.500 1487.5
2 170.000 1190
従って、風車が3rpmで回転するなら半径17㎞~13㎞の範囲で風車の空力音が到達して被害を与える可能性が十分あるという事だ。
次図は受注が激減しているドイツ大手の「enercon product overview」である。
これによるとエネルコンのローターの回転rpmは3~34.5だ。
3rpmで巨大風車が回転(発電)すると、0.15ヘルツにインフルエンスが生じて、2266.667mの波長の空力音が発生する。そこで経験的には 0.15ヘルツで15866.66667×7波 = 15866.66667m に到達する空力音が生じて被害を与える。
次に「発電機」のパターン計測での調査例を示す。(図をクリックすれば別頁が開く)
パターン計測は手間が掛かるのだ。
パターン計測ではないが、対音源調査の例を示す。(図をクリックすれば別頁が開く)
次に、無断で使用された谷口の調査報告書が此方です。(図をクリックすれば別頁が開く)
加害周波数も加害音圧レベルも分からないFFTを信ずる者はアホの証である。
以上