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 馬鹿や知恵足らずという意味合いで人を罵って使用される語に「ノータリン」という言葉がある。「脳みそが足りん」の意味とされ、此方の主張を理解できない、或は理解しようとしない相手に対する罵(ののし)りの語でもある。

 「ルシファー・エフェクト―ふつうの人が悪魔に変わるとき」の著者「フィリップ・ジンバルドーは」は、心理学に基いて、悪をこう定義する。「悪とは、罪のない人に対し、虐待、侮辱、人権侵害、傷害、殺害などの行為を故意に加えること。もしくは、権力や組織の力を利用して、そのような行為を自分の代わりに他人が行なうのを助長、または許可すること」。端的にいえば、「まともな頭がありながら、まともではないことをすること」。

 2013年(平成25年)12月20日、日本弁護士連合会は「低周波音被害について医学的な調査・研究と十分な規制基準を求める意見書」を発表した。全くのガラスのハンマーであり、たった一人の低周波音被害者も救うことができず、事業者にも何の圧力も加えられない代物なのだが、その発端は清水靖弘と井坂和広の低周波音被害者への差別意識と無知にある。彼らは被害者から「ノータリン」と痛罵されるに相応しい。

 被害者の会は①汐見文隆医師の意見を得られるよう低周波音調査をし、②汐見文隆医師の意見を基に、③被害者は掛かり付け医師から診断書を獲得する、という協力体制を前提に活動してきた。無論、汐見医師の意見が得られない場合もあるが、低周波音被害の社会的認知獲得にはこのような、医師と被害者の協力体制は欠かせない。

 ところが清水靖弘は会の調査報告書を医師には届けずに、弁護士井坂和広に届け、会の制止も振り切って、消費者庁に届け出た。

 いわずもがなだが、消費者庁の事故調査委員会は申立を〝事故〟として調査をする機関であり、消費者庁のHPには「消費者安全調査委員会は、消費生活上の生命・身体被害に係る事故の原因を究明するための調査を行い、被害の発生又は拡大の防止を図ります。他の行政機関等によって調査等が行われている場合は、これら調査等の結果の評価を行い、必要に応じて意見を述べ、あるいは調査委員会自ら調査を行います」とある。

 予定通り、国家犯罪であるエコキュート(家庭用電気給湯器)の低周波音被害は事故として扱われ、「百万台に一件の被害発生であり、大方の被害は物理現象すら認められない」との調査報告は、三菱、日立、東芝、パナソニック、ダイキン、サンヨー他の名だたるエコキュートメーカーに何のお咎めもないし、被害者救済も一切しない。

 調査をするに際し、事故調査委員会は「生命身体に係る消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため事故の発生原因や被害の原因を究明することを目的に、消費者安全の確保の見地から調査したものである。 なお、消費者安全調査委員会による調査又は評価は、事故の責任を問うために行うものではない」と宣言している。その本文が此方

 

 消費者庁は設置位置と被害者宅の最も近い壁とのが10mを超える例が、聞き取り調査19例中4例もある危険な機器を何の手当もせず、医師の意見を求めることもなく、設置ガイドブック順守を新たな被害拡大の拠り所として推進する。

 低周波音被害は一度発症するとありとあらゆる音源の低周波音に苦しむ暴行事案であると同時に、治癒しない傷害事案でもある。住宅地には家庭用給湯器が溢れ、過疎地には風車が回っていて、日常的にはクレーンやパワーショベル等の重機が何処にでも見られる今日、被害者は苦しみ続ける。

 そんな被害者にホテルの晩飯を催促し、ビールを集るような井坂の如き奴が、私は嫌いなのだ。しかし、井坂の国賠訴訟に於いて最低限の協力をしてきたのは、今は山梨県へ移住された、かつてのさいたま市に深刻な低周波音被害者が居て、この被害者の救済を考えての事だった。

 2012年11月2日霞が関の裁判所で井坂は私に、この方に事情説明をして原告から外れて貰ったと言い訳したが嘘だった。被害者本人に確認したところ、返事が無かったので自ら電話をして聞いた、とのことだった。この被害者が国賠原告から外された理由もまた他者には説明できない、井坂の都合だったのだ。

 さらに井坂は、裁判所控室に於いて、低周波音症候群被害者に対し、〝裁判所は岡田健工学士の意見を求めている〟と発言した。しかも〝汐見医師以外に医学関係者の意見が無いから〟とも言い、恰も我々低周波音被害者の活動が不十分だとの考えを口述してもいる。

 低周波音症候群被害の病態が疾患であることの社会的認知が充分で無いことは事実として、その責任は、被害者や医師にあるのか。被害の渦中で悶え苦しんでいる被害者や、被害実態を知らされていない医師にその責任があるのか。自分の病気の専門家が工学士だという病人がいるとは、終ぞ聞いたことがないが、低周波音症候群被害者が自身の被害=病気について、工学関係者を専門家扱いしたことは前代未聞であり、法治国家に於いて未来永劫あってはならないことでもある。

 その上で、汐見文隆医師なるこの被害の専門家が存在しているにも拘らず、積極的にメディアに登場して、然も病気の専門家であるかの如き〝なりすまし行為〟を繰り返し、低周波音症候群が重篤な疾患であることの社会的認知を阻害してきた岡田健工学士の意見を裁判所が求めているのであれば、被害者を幻聴であると精神障害者同然の扱いをする岡田の意見で裁判が進捗し、被害者の声は裁判の行方には反映されないまま、結果として被害者は立派な幻聴者であり異常者としての烙印を押されることとなる訴訟は、弁護士にとっては正当な営業行為であっても、被害者にとっては百害あるのみだ

 日弁連には井坂の低周波音被害者に対する人権侵害を告発もし、井坂本人には被害者の会の名前を使用しないよう抗議もしたが、知らぬ顔の半兵衛で計測事業者とのタイアップをアピールして低周波音被害者に営業をかけている。

 被害を否定するツールとして機能したのが〝参照値〟であり、これを流布したのが、手引書であり、そのもとが聴覚の感覚閾値論だ。いずれも、医師の関与はなく医師法に違反している。海外に於いても同様の、日本よりは若干、低値に設定されてはいても、いずれの国も国策として理工学関係者をこの被害の専門家として処遇し、医師の関与を忌避してきたことが、現在の被害の本当の拡大理由だ。

 井坂は、事業者に測定をさせて高額の調査費用を被害者に支払わせ、被害判定基順は科学とは無縁であり、被害発症メカニズムも無視した、ポーランドやスウェーデンの外国のガイドラインだそうな。いまだに井坂と清水が主張する、この先進的どころか〝後進的〟な外国の判定基準によって多数の被害者が被害を否定されてきた。

 被害者以外は誰にも聞こえない音や振動を理由に不定愁訴を訴えれば、低周波音被害はリアリティの無い被害だから、殆どは詐病扱いか、騒音のノイジネス(騒音の心理尺度で、騒音のやかましさを表す)かアノイアンス(騒音の認知・情緒レベルでの不快感を表す)として処理されてきた。風車被害者を主張する熱川風車被害者の会の川澄徹の如く嘘を言えば、必ずその集団全体が嘘吐きであると判断されてしまう。

 川澄が〝会ったこともない6名を含めて、汐見文隆医師から原因現象たる低周波音の確認をしないまま、20名が遠因性の低周波音被害だとの診断を受けた〟と嘘を吐いた平成22年12月9日以降、風力発電建設反対運動は悉く頓挫し、風力発電の低周波音被害者は全く救済されずに放置されている。

 本来、私は一人の被害者として現在の活動を開始した。低周波音被害を認めない社会に於いて一人で遣る活動に、限界があることは当然だが、群馬の清水や桐生の田辺、神戸の今﨑は何処までも身勝手なことを私に求める。会員ではない彼らは、会に協力することもなく自分に不都合なことには口を噤む。

 人間は弱く不完全で、一人では生きられない存在であって、生まれた瞬間から今日まで、他人が自分のための苦労を引き受けてくれたからこそ今の自分がある。

 汐見医師が、被害者であるなら誰の相談にも応じられたことを、会も踏襲しており、事前に求められれば報告書の開示を制限したことはない。しかし被害者の会が作成した報告書をアチコチ裁判にも使用した清水のホームページに、その記述はなく、弁護士と代理人契約をすれば百万円からの費用が掛かるにも拘わらず、恰も弁護士が被害を解消した旨の主張を続けてきた。

 また、神戸の今﨑は自宅の低周波音計測計画をすら立案できず、汐見先生からの預かりもののNA-18Aを13か月間死蔵した行為は横領であり、清水はこれに協同している。

 そして、加害者は私を被害者とは認めない。2017年末、私の低周波音被害を認めると言い始めた国立市は今でもその判定基準が参照値だ。

 井坂は、低周波音被害者である私をまるで、調査会社のように扱い、原告から離脱した会員に被害者の会の活動を妨害せよとの文書を送りつけている。


 国家賠償訴訟は、他の公害でも同様に、参照値を盾に被害を否定された被害者なら、誰でも参加できなければならないし、被害者の会でも提起する予定だが、井坂、清水、岡田らの妨害に依って未だその時期にはない。

 一端、被害者になってしまうと、体調不良、人間不信、時間、仕事、家族、近隣との関係、収入など生きていく上で必要な全てのモノが失われ、タコツボの中で生活するように追い詰められて、最後には生存の危機を問われる。命を捨てるか、我が家を捨てるかという究極の選択を求められる被害なのだ。

 2012年10月8日、井坂和広弁護士が、鎌倉在住の重篤な低周波音被害者二名を、山梨大学工学部の低周波音暴露実験室に連行し、医師の立ち会いも無いまま、低周波音被害とは無関係の〝聴力検査〟の為に〝低周波音曝露実験の被験者〟とする事件も起きている。日本弁護士連合会への告発はこちら

 音圧レベルが高まれば聞こえることもある低周波音被害の本質は〝聞こえ〟ではなく〝痛い〟ことであり、睡眠時に低周波音が生じていれば不眠、その長期長時間曝露に依って鼓膜や内耳が損傷する被害だから、被害者に低周波音曝露すれば損傷している部位に更に低周波音を浴びせてしまう、医師の観察が無い工学関係者の実験は、「足を骨折しているか否か、歩行させて判断する」というとんでもなく非科学的な実験であり、被害症状を把握することはできないまま、病勢を増悪させる危険性がある、人体実験に匹敵する行為だ。

 酷いのは国家として、事故調査委員会がヒートポンプ調査でも、エネファーム調査でも、同様の非人道的な実験を是認し実施していることだ。

 無論、医師が立ち会っていれば良いということはなく、遣ってはならない人体実験は人権侵害なのだが、事故調査委員会の調査に於いて、曝露実験を忌避し認められた被害者もいて、実施してもしなくてもどうでも良い実験であるにも拘わらず、環境学を専門とする者らは形式的にこの実験を盛り込む。

 最高裁でも、横浜でも、神栖でも、
敗訴している井坂の裁判は、嘘の塗り重ねでありジンバルドーがいうところの、自らが悪を行使し、罪のない低周波害被害者に、虐待、侮辱、人権侵害、傷害、殺害などの行為を故意に加え、日本弁護士連合会の組織力や弁護士という職業的権威を利用して、そのような行為を自分の代わりに他人が行なうのを許可し、助長している。しかしジンバルドーがいう、「まともな頭がありながら、まともではないことをする」その〝まともな頭がある〟とはとても思えない。

 我欲に目が眩み、自己の営業構造ばかりを気に掛けて、重篤な低周波音症候群被害者を低周波音暴露実験室に連行し、他人の褌で相撲を取るような、アホ弁護士らに、低周波音被害者が期待するモノは何もない。

 

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