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第17回「低周波空気振動被害事例研究会」3月28日

主催:特定非営利活動法人 低周波空気振動被害者の会

 低周波空気振動被害者の会は、汐見文隆医師と共に前身である低周波音症候群被害者の会の時代から、この重篤な疾患であり障害でもある被害が〝国家施策の結果〟であることを社会に伝えてきた。会がこれまでに接してきた500名近い相談者は皆、音源駆逐を目標にして、汐見文隆医師の意見を基に音源側との交渉に臨むため、会に接触してきた。
 音源側は、簡単には医師の意見が得られないことを見越して、診断書の提示を求めるのだが、汐見医師の意見を得るには、詳細な状況説明だけでなく、医師の判定に値する曝露空間に於ける物理現象の把握が不可欠であり、しかも対照データが欠かせない。会は計測することを目的にしていないが、医師の求めに応ずるために低周波音調査が必要なのだ。
 被害が深刻な自宅内(被害現場)での低周波音発生状況と、被害が軽微である他の空間、或は被害が軽微である自宅内での低周波音発生状態に明白なエネルギーの差が記録されていることのみならず、単なる数値の表やグラフだけではなく、被害を判定するに足る表現を備えた調査報告書が必要になる。
 被害を主張する際に、医師の意見を提示できるか否かは、交渉の行方を決定的に左右する。医師宛ての調査報告書や医師の意見があれば、気のせいとか精神疾患者扱いされることがないからこそ、会は相談に応じて外因である空気振動を調査し、低周波空気振動曝露空間を把握して、150通以上の調査報告書を汐見医師他、日本中の医師に届けてきた。
 自身の被害を他者に伝えるには、提訴するについても、工学関係者や他国の医師に、その被害一般についての意見があることなどは、二の次三の次であって、有用なのは、被害者当人の病的状態を証明した診断書のみであり、民主国家においては診断書を発行できるのは医師に限定されている。
 汐見医師が、「機器装置が原因で低域の空気振動が発生し、その結果としての被害が生じているのだから、〝工学関係者に対策をさせなさい〟」と記者会見をされたのが2010年11月8日で、既に9
年を経過するが、日本弁護士連合会、日本消費者連盟、メディアをはじめ社会は医師の意見を封殺したままだ。2014年1月8日、会は消費者庁消費者安全課事故調査室に招かれ、低周波音被害問題及び会の活動を報告したが、最終的に求められたことは、この被害について意見を表明される医師の存在があるか、この一点だった。
 無論、汐見文隆医師以外には紹介可能な医学博士は数名でしかなく、医学会のみならず一般社会にも低周波音被害問題が周知されない最大の理由は、会の活動とは大きく異なり、医師には被害症例を届けない活動が、国会議員や特定非営利活動法人が強力に推進している現実があり、日本弁護士連合会や大学も加担していることを合わせて伝えた。
 警察へ被害相談をして、「騒音(やかましい)や振動(がたつく)と違って、低周波音被害はとても苦しくて自宅に居られない」と、叫び続けてみても、「そんなに深刻なのだから診断書はありますネ」と念押しされ、医師の意見を求められるのであって、深刻な疾患や暴行傷害を訴えているのに工学関係者の意見を求められる筈もないし、求められたことは一度もない。
 医師に症例が届かないことについて、臨床医学の基本であるべき問診の重要性が、昨今の医学界では軽んじられている現実を憂慮すると共に、汐見医師は概ね次のように述べている。
『医学の進歩と共に、精密な化学的測定や高価な精密機械による物理的検査が導入されたが、益々高度化する技術を使いこなすのは医師には無理であり、臨床検査技師に委任するしかない。しかし、理工学関係者の臨床検査技師は、あくまで臨床診断の補助者であって、診断は医師の役割である。正しい精密なデータを提供してくれるのが検査技師であっても、最後の診断は医師がやることになっており、それまで検査技師がやれば医師法違反だ。患者さんという人間を知るという基本はそれ程大切なことなのだ。低周波音の測定はそれ程高度な技術ではないし、測定器も、普通の騒音計よりは高価だが、CT(コンピュータ断層装置)やMRI(磁気共鳴断層装置)ほど超高価の機械でもない。あくまで患者さんが生活している被害現場を主体にした測定が必要だから、病院の優れた臨床検査技師の手を借りることもできずに、原則的には医師の手の届くところに検査データが無い。これが被害像の特殊性と相まって、一般の医師の理解を得られにくくしている』・・・


1. 日時:2021年3月28日(日) 13 時30 分~16 時30 分 定員:30名 *事前申し込み要す
2. 場所:多摩平の森 ふれあい館 多摩平交流センター 集会室3-3
3. 〒191-0062 東京都日野市多摩平2-9 電話受付:042-571-2787 JR豊田駅徒歩7分

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