特定非営利活動法人
低周波空気振動被害者の会
国家は低周波空気振動被害を事故扱いし、その責任回避を企てている
決して許してはならない
見捨てられた被害者の為の低周波音公害ハンドブック
低周波音公害Handbookは、この被害の世界的権威である汐見文隆医師が、益々拡大するその被害者を救済する為に1994年に著作されたものです。
既に20年が経過していて、内容が古くなった項目もあり、分かっているものは訂正しました。
低周波音被害は、色も臭いもなく掴むことも出来ない「空気の波動」という物理現象が原因の、これまた他者が視認可能なこれといった被害症状がない被害です。
現在まで、低周波音被害に対する法整備は全く手付かずであり、一端被害者が発生してしまうと、制度として救済方法が無い現状ですから、音源駆動を止めることはできず、被害者は現地を離れる以外に被害を回避することができません。
汐見文隆医師は、著書「左脳受容説」に於いて、低周波音症候群が、騒音として右脳で聞き流してきた低音域の空気振動を、左脳が受容することで看過できなくなってしまった〝脳の不可逆変化〟であることを示し、一度、低周波音症候群を発症すると、決して元には戻らない〝不治の病〟と位置付けています。
低周波音被害は骨導音に依って起きるのであり、気導音が原因で起きるのではなく、しかも皮膚が反応して起きるのです。
国際規格ISO-7196 としてG 特性値を定めていますが、低域の非可聴音とは異なり、実在しません。蝸牛の構造上8~10Hz 以下が低域の非可聴音です。また、気導音のみで骨導音要素が排除されています。一度でも聴力検査を受診したことがある人ならば、骨導音を遺漏することはありません。しかも短時間の実験結果によるもので低周波音被害とは何の関係もないのです。
ISO-7196に根拠は無く、人体評価に適用できない架空の数値です。
10~20Hz は聞こえるのであり〝低周波音〟も〝超低周波音〟も便宜的な取り扱いのための区分けであって、人的被害とは無関係であり、被害判定の要素として使用してはならないのです。
G特性は典型的な低周波音発生源であるコンプレッサー(空気圧縮機)でも80dB程度ですから、コンプレッサーを枕にしても超低周波音を感じないとの評価です。
低周波音問題では感覚閾値(雑音の無い環境で聴覚が検知できる最小の純音の音圧レベル)や聴覚閾値と言う言葉が登場します。感覚閾値には骨導音要素が無く、正しくは「気導音の感覚閾値」のみが提示されていますが、骨導音の感覚閾値はありません。つまりは存在しない評価量であって現実の被害には適用してはならないのです。
過去に於いては、低周波音を調査するについて理工学士の手を借りざるを得なかったので、理工学士の介在を許してきました。でも現在では誰でも計測することは可能です。
この暴行傷害事案を、理工学士が医師でもないのに医師であるかの如く振る舞って被害を否定してきました。
1Hzのオトは100Hzのオトの100万倍伝播力(伝わる力)が大きいのですが、このことを伝えた理工学士は一人として居ません。
つまりは理工学士の嘘が低周波音被害を作ってきたのです。しかも嘘は理工学士の懐を肥やすためだけの嘘だったのです。
また、背景の音が存在しない空間は存在しません。
被害は、背景の音に加害音圧レベルが加算されて生じるのです。背景の音は20dB も30dBも場所に依って異なるので、背景の音+加害音圧レベルで被害は判定しなければなりません。聴覚閾値のように、この周波数の値をこえたら被害アリとするような単純な判定方法で被害は判定できず、加害音圧レベルで判定するのです。
また、汐見医師は〝ストレス〟と言う言葉を使用しませんでした。
明白な卓越なる物理現象が加害しているのだから、一般的に使用される〝ストレス〟は〝ストレッサー〟と混同されることがあり、そのような曖昧な言葉を安易に使用しない、との立場です。
『1976 年初頭ですから、低周波音症候群(当時は超低調波音公害)はまだ疾患像もはっきりしていない未解明の状況でした。それなのに、感覚閾値という[診断基準]もどきのものが既に存在していたというのですから驚きです。Aという疾患が新しく発見されたとします。それは昔からあるよく似たBという疾患とどう違うのかがまず追求されるでしょう。そしてAとBとは全く異なる疾患であることが判明し、Aの病像がさらに解明された後に、診断基準が確立していきます。これが医学の常道です』と医師は、感覚閾値の登場は医学の論理に反していると述べています。
言うならば1976年以来45年の長きにわたり理工学士の嘘が低周波音被害を支配しています。
主に理工学士は日本騒音制御工学会(INCE)に属しています。国際的には INCE (Institute of Noise Control Engineering)という学会ですが、学会全体が事実を伝えません。
汐見文隆医師の叡智を基に、被害者の苦悶から目を背け、呻き声に耳を閉ざしてきた、命の尊さも知らず人の心の痛みさえ分からぬ者達への戒めとするとともに、棄民となった被害者のせめてもの支えにしていただきたいと思います。
尚、被害者の会ではこのHandbookを頒布しています。お問い合わせください。
特定非営利活動法人 低周波空気振動被害者の会 窪田泰 2020.6.16