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 日本弁護士連合会は2013年(平成25年)12月20日「低周波音被害について医学的な調査・研究と十分な規制基準を求める意見書」を発表した。以下この意見書を〝本意見書〟と表記する。

 これを発表して既に満5年が過ぎた。日弁連が求めた如く低周波音被害問題は愈々苛烈となり地獄の果てもカネ次第となっている。被害者や医師の意見を無視する日弁連の言い種は、無責任な机上の空論である。
低周波音源を駆逐しない限り被害は無くならないし、①風車を建設しようとする者達の意見を基にして対策するというのでは、被害者の心情を逆なでしたままで、②物理現象としての空気振動被害のメカニズムも全く無視していては対策にはならない。

本意見書では「当連合会は、2013年12月20日に本件について意見を取りまとめ、12月25日に環境大臣、経済産業大臣へ提出いたしました」とあるが、厚生労働省や国土交通省(クレーンやバックホー等の重機の管轄)、総務省(公害等調整委員会)には提出しないのだ。この意見書の異常さは、社会に公開でき得る内容ではなく、日弁連の歴史の中で二つと無い杜撰なものだ。

低周波音被害同様に外因性の疾患である「電磁波」と「化学物質過敏」については
日弁連は、2012年9月13日付けで「電磁波問題に関する意見書」を取りまとめ、同年9月19日に環境大臣、経済産業大臣、厚生労働大臣及び同年9月20日に総務大臣宛に提出し、化学物質過敏症に関する提言は、2005年(平成17年)8月26日に取りまとめ、9月6日に厚生労働省や関係各官庁、参議院議長へ提出、9月27日に衆議院議長及び各政党へも提出している。

低周波音被害についての意見書の趣旨は次の通り。
1 国は、人の健康及び環境を保護するため、低周波音被害(超低周波音被害を含む。以下同様。)に臨床的に取り組む医師等により構成された調査・研究機関を組織し、低周波音の長期暴露による生理的な影響、感受性に与える影響等について、被害者の実態を踏まえた疫学的調査を行うべきである。

2 国は、「100ヘルツ以下の音は聞こえにくい、10ヘルツ以下の音は聞こえないからいずれも生理的な影響は考えられない」という「感覚閾値論」や「感覚閾値論」を前提として環境省が2004年6月に作成した「低周波音問題対応の手引き」(以下「『手引書』」という。)と「参照値」を撤回し、下記3の基準が策定されるまでの当面の間、ポーランドやスウェーデンなどの諸外国のガイドラインの先進例を参考にして暫定的な基準を設けるべきである。

3 国は、上記1の調査結果に基づいて、低周波音による健康被害を防止するに足りる、低周波音に関する新しい法的な規制基準を早急に策定し、これに基づき風力発電施設(風車)の立地基準やヒートポンプを利用した家庭用給湯設備(以下「エコキュート」という。)等の設置場所に関しても基準を策定すべきである。

そもそも低周波音被害は、国土交通省管轄の機器が原因で、痛い苦しいと訴える被害者の声を、理工学士が閾値論を振りかざし「聞こえ」に摩り替えて口を塞ぎ、被害を否定してきた。これを国家が公認しての暴行傷害事案だ。
しかし本意見書は、端からバックホウやクレーンでの被害を無視して立案されている。我も我もと低周波音被害者が陸続することを怖れた環境省の犯罪であるのに。

加えて、本意見は淡路島の住人から風力発電施設起因の被害について傍若無人に振る舞う事業者に法規制を掛けられないかと訴えたのが発端だが、本意見はたった一人の低周波音被害者を救うこともできず、事業者には何の圧力も加えられない、全くのガラスのハンマーだ。

・疫学調査の登場
疫学は加害者が求めているものだ。結論迄に時間が掛かるのでその間音源を更にばら撒くことができて事業として稼げるからであり、別途述べるがFFT解析もその手法である。
衆を頼める音源(風車、エコキュート、エネファーム等)が存在する一方、衆を頼めない、音源の被害者(重機、コンビニ、スーパーマーケット、工場)は放置される可能性が否定できない。消費者庁に於いても巨大風車を含め今現在は、全くの手付かずである。

水俣病、イタイイタイ病のように疫学を利用しなければ因果関係を把握できない公害病とは違って、空気振動たる打撃に依る生理的な被害を認めるだけなのだが、閾値論を捨てない日弁連は被害者救済を先延ばしにする。

汐見文隆医師は、その著書「低周波音被害を追って」(2010年4月)では薬害を例に音源に対してリコールを求めているにも拘わらず、本意見書は汐見医師の意見を無視している。
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 医療の世界で新しい薬を開発された場合には、その効果もさりながら副作用が厳重に追求されます。人を助けるはずが、かえって苦しめることになってはならないからです。
 それが理工学の世界ではどうなっているのでしょうか。事故が多発した場合にリコールという制度がありますが、では風力発電機は、これだけ明白な住民被害が出ているのに。リコールの対象にはならないのでしょうか。死なないからと安心しているみたいです。
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また、救急患者への対応を例にとり、2010年11月8日、環境省に於いて次の記者会見もされている。
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「急患(結果)が発生し医療機関に搬送されて、原因(病名)がよく分からない場合、医師はどうすべきか、分からないなりに少しでも原因を模索し、治療に当たることが、医師としての人道的使命であり、素早く対応しなければ患者は死んでしまう」、しかしながら、「感覚閾値(気導音)や参照値(気導音)が、被害実態(骨導音)にほとんど合致しないのに、これ[原因≠結果]を無視して、工学関係者は被害者を勝手に「気のせい」「神経質」などと詐称し、無理やりに[原因→結果]を押し付けて、原因が分からないから勝手に苦しみなさい、勝手に死になさいという対応をしてきた」
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被害者が存在しているのは明らかなのだから、「工学関係者に対策させれば良い、エコキュートや巨大三枚翼風車はリコールすべきです」と述べている。

NHKはじめマスメディアは「報道しない自由」を発動してこれを〝黙殺〟し、重機や工場の低周波音被害が風車やエコキュートやエネファームに拡大した歴史に興味が無い日弁連は、風車被害を作っている者達(後述する松井利仁氏や岡田健氏)の意見を重用する。そのヒントや進むべき道を指し示してくれるのが歴史であり、先人達の生き様であるのに。

・低周波音による主な被害の一つは【音響外傷】である。
 音響外傷であるスマホ難聴は、ロック難聴やウォークマン難聴同様に大音量の音楽鑑賞が原因であり、楽音のジャンルに差はなく、音楽を届ける空気振動が原因の傷害であることは、医学的常識であり一般常識でもあるが、これを低周波音被害には適用されないでいる。低域の空気振動は「空気による強力な打撃」となり、繊細な器官である中耳及び内耳を毀損する。鼓膜は緩み傾き、耳痛・耳閉塞を起こして「聞こえ」が劣化し、蝸牛や半規管、球形嚢や卵形嚢に過剰な圧力が加わり、「平衡感覚」が狂って、真っ直ぐ歩けなくなり、ふら付いて時に転倒し骨折する。

・もう一つ重大な症状が急性ストレス反応である。
地震、火山噴火、雪崩、津波など自然現象由来の空気振動は天変地異の巨大エネルギーが振動を起こして、火砕流や土地崩落の危険を告知し、その場から直ちに脱出せよと促す信号となる。動物を闘争状態へと変化させた自然由来の空気振動は数分で消滅するが、継続する人工音は動物の心身を交感神経優位にしたまま、筋肉へ酸素を送るため、心拍・血圧を亢進し続ける。しかし脳の指令に反してその場に留まらざるを得ない現代人には、強大なストレッサーとなり苦しみ続ける。

急性ストレス反応は、1929年にウォルター・B・キャノンによって初めて提唱された動物の恐怖への反応である「闘争・逃走反応」(fight-or-flight response)は、闘争か逃走か反応、戦うか逃げるか反応ともいい、戦うか逃げるかすくむか反応、過剰反応(hyperarousal)と言うことも、『火事場の馬鹿力』と訳されることもある。

キャノンの説によると、動物は恐怖に反応して交感神経系の神経インパルスを発し、自身に戦うか逃げるかを差し迫るという。この反応は、脊椎動物あるいはその他の生物でストレス反応を引き起こす一般適応症候群の初期段階として後に知られるようになった。

その身体的な反応は恐怖などのストレッサーの刺激が視床下部、下垂体に伝達し副腎皮質刺激ホルモンが分泌され、アドレナリンとコルチゾールが放出される。その結果次の変化が起きる。

心臓・肺機能強化(心拍数上昇、血圧上昇、呼吸数上昇、気管拡張など)、体の多くの部分の血管収縮、 筋肉向けの血管拡張、脂肪やグリコーゲン等の代謝エネルギー源の放出、胃などの消化機能阻害・停止、膀胱の弛緩、勃起の阻害、涙腺と唾液腺の阻害、瞳孔散大(散瞳)、聴覚喪失、周辺視野の喪失(視野狭窄)、脊髄反射の脱抑制、振戦(ふるえ)。
生理学的機能の変化としては、体の他の部分に回る血を抑制し、優先的に筋肉に血が供給される。筋肉に血やエネルギー等を供給するため、心拍や呼吸が早くなり、血圧が高くなる。血糖値が上昇する。脂肪の燃焼が促進される。筋肉が、より早く、より強く動けるように緊張状態になる。(Wikipedia)

2004年12月26日に発生し16万人以上が犠牲となった、アチェ大津波では、天変地異(津波が海岸を襲う)の低周波音を感知した象や水牛の例がある。記事に依れば、カオラックでダンさんが飼育するゾウ8頭が、地震が起きた午前8時頃鳴き声を上げた。1時間余り後ゾウは再び興奮し、背中に観光客を乗せて近くの丘に向けて突進した。近くのラノーン県沿岸では、津波の直前、草を食べていた100頭余りの水牛が、一斉に海の方を見た後、高台に走り始めた。追いかけた村人はかすり傷ひとつなく助かった。ゾウも水牛も津波による低周波音を感知したらしい後に興奮状態となっている。

即ち、低周波音を感知した脳は、ボクサーやレスラーが四角いリングに上がった状態になり、危険な現在地を脱却する為に、心拍を亢進し血圧を上げて筋肉に酸素を送り、直ちにその場を全速力で離脱することを求める。
ところが、野生動物ならいざ知らず、現代人の住環境では、その環境から離脱することが困難だから脳は異常興奮して脳内に深刻な葛藤が起きる。すると「てんかん様」の症状を呈する急性症候性発作も発現することがある。

 

ヒトが四角いリングに挙げられては、覚醒し続けることは疑いようもないのであって、不眠となることは自明である。低周波音を感じて睡眠障害に陥るのは、骨導音として皮膚で低周波空気振動を感知した結果、ヒトが急性ストレス障害を起こして不眠となるのである。
 

尚、「急性症候性発作」とは
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てんかん発作とは、脳の神経細胞の過剰なあるいは同期性の異常活動のために生じる一過性の症状だ。神経細胞群の過度の興奮性が生じる脳の部位によって種々の症状が生じる。
原因は大きく、脳が急に大きな影響を被った場合と、自律的に(慢性的に)てんかん発作をおこすようになった場合がある。前者を急性症候性発作、後者はてんかんのてんかん発作だ。(てんかん情報センター
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・医師と低周波音症候群被害者の会を無視する日弁連
最近の低周波音問題として、風力発電施設(風車)について「当連合会公害対策・環境保全委員会低周波騒音被害問題に関するプロジェクトチームは,低周波音による被害の実態を調査するため,2011年12月10日に愛媛県西宇和郡伊方町(旧・三崎町),2012年4月5日に和歌山県日高郡由良町を訪れ,風力発電用風車による低周波音の被害を訴える住民から直接聞き取り調査を行った」とあるが、伊方町も由良町も当会が現地被害者と連絡を取りアレンジしたものだ、しかし当会の名前は本意見書には全く出現しない。

一方では、東京大学大学院・前川真帆香氏の修士論文「低周波音被害の社会問題化」や松井利仁氏(京都大学)「複合低周波音の評価指標に関する考察」(2010年9月)『日本騒音制御工学会研究発表講演論文集岡田健氏「エコキュートや風車からの超低周波音による生理的影響はなぜ起きるのか?」(2009年6月7日『消費者レポート』をアピールする。

・清水亮氏について
前川真帆香氏を指導したのが東京大学准教授清水亮氏だ。前川氏は4時間に及ぶ低周波音症候群被害者の会(私)が主催する低周波音症候群被害事例研究会に二度も参加したにも拘わらず、低周波音問題は医師か大学教授でなければ担当できないとばかりに差別意識丸出しで代表には全くインタビューをせず、
①被害の専門家が岡田健工学士である。
②会は汐見医師が作ったものだ
③被害者ではない者(私)が計測している
と低周波音症候群被害者の会の活動を妨害し低周波音被害の社会問題化を加速した。会はJR中央線三鷹立川間高架化工事で使用される重機に依る被害者である(私)が設立したものであり、私が計測してきた。

清水亮氏は東京大学大学院・前川真帆香氏の修士論文「低周波音被害の社会問題化」を指導することで、消費者庁「家庭用ヒートポンプ給湯機調査」にも職を得ている。

・松井利仁氏について
長周新聞には北海道や札幌市の環境影響評価審議会委員も務めたという松井利仁氏が、風車騒音が危険だとする講演が記されている。「風車騒音による健康影響と石狩湾新港周辺三事業の影響評価」が地元で大きな反響を呼んでいることも記されていて、専門家の見地から低周波音の人体への影響をとらえたもの」らしい。
武器か兵器かという代物である巨大風車について、汐見文隆医師は著作や環境省での記者会見で、繰り返し〝リコール〟すべきだと意見されてきたが、巨大風車が松井氏が主張する程に危険なら、アセスの対象なんぞにせず、建設停止を主張したら良いと思う。

環境ジャーナリスト・かとうやすこ氏「週刊金曜日2016.3.11(1079号)」によると、風力発電が環境影響評価法に組み込まれることとなった「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」に於いて、松井氏が「睡眠障害等の健康影響も含めた影響が生じるリスクが極めて高い」と指摘したという。

しかし議事録を見ると「松井検討員 規模要件に関して、資料2-3で、苦情件数に関して再整理されておられるんですけれども、苦情という言葉が気になっております。風力発電所に対する苦情というのは、多くが睡眠妨害なんですね。睡眠妨害というと、生活妨害、生活環境影響というようにもとられかねないですが、医学的に見れば、環境要因による睡眠障害、病気です。ですから、そういう点では、これは健康影響であるという視点から苦情ということを見ないといけないのではないかと思います。ですから、規模要件を決めるときの重要度というのがそれぞれあろうかと思うんですけれども、騒音の苦情件数というのは、単なる生活妨害ではなくて、健康影響であるという意識を持っておくべきではなかろうかと考えております」となっていて、飽くまで苦情、騒音となっており風車の主な被害を睡眠障害と捉えている。

音響外傷や急性ストレス反応を惹起する低周波音の〝卓越〟については全く触れることなく、騒音の延長線上に低周波音を位置付けて、低周波音の総量での考えを主張しても、議論にはなっておらず、単にそのようなこともあると発言しただけだ。

その意味でかとうやすこ氏の表現は正しいが、風車の近傍では人柱同然の突然死が今も続いている。死人もその家族も人柱との意識はないままに、武田恵世氏が代表である風力発電全国情報ネットワークの川澄透氏、環境活動家の岡田健氏、武田恵世氏等と共に再生エネルギー賛成を唱えて風力発電を推進する。

風力発電は一基が危険なのであって規模要件は無用の条件だ。にも拘らず「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」は一基でも苦情があることの認識はあるものの、その危険性を論じていない。「アセスはアワスメントで意味が無い」と言っていた汐見医師達の嘆きが聞こえてくる。

長周新聞によれば、松井利仁氏は橘秀樹氏(千葉工業大学附属総合研究所 教授)を悪の権化の如く批判しているが、全くのお門違いであって、風力発電被害は風車をアセスの対象にしてくれと運動した川澄氏や松井氏の意見を基に、アセスの対象( 第1種事業:1万kW以上 第2種事業:7,500kW以上)となってその建設が推進され、被害者救済は見送られた歴史があり同罪だ。

しかも松井氏が低周波音被害の救世主の如き扱いになっているが、人柱とされた被害者にとってはニックキ加害者の代表だろう。そんなに橘秀樹氏に不手際があるのであれば(実際にあるのだが)、橘氏を刑事告発すべき話だ。しかし同罪だから自身を告発しないと思われる。

松井氏は、低周波音による「公害病」は発症機序を三つに分類できるという。
①.環境性睡眠障害は低周波音が聞こえることによって「小さい音」でも気になって眠れないというのだが、枕に頭を付けた時、振動を感じて眠れなくなるのであって、聞こえる音での影響は無い。
②.前庭への刺激が、〝いわゆる〟風車病か否かはともかく、その症状は一般的にも医学的にも認められた「動揺病」の症状を起こす。
③.上半規管裂隙症候群(SCDS)という障害者は有病率1~5%、低周波音、超低周波音の感受性が極めて高いとも記述があり、低周波音被害者を先天的病者扱いしているが、低周波音被害は普通の人が低域の空気振動に依って被害者となるのだ。
 
因に、動揺病(乗り物酔い)は「しばしば漠然とした腹部不快感を伴う悪心,嘔吐,めまい,蒼白,発汗,および関連症状を通常は含む症候群である。 特定の運動形態,特に角加速度および直線加速度の反復的な増減によって,または前庭,視覚器,および固有受容器からの入力が矛盾した結果,引き起こされる」とされている。(Wikipedia)

汐見医師の2009年8月10日意見書「風力発電機による住民被害を追って」には次の記述がある。
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医療の世界で新しい薬を開発された場合には、その効果もさりながら、副作用が厳重に追求されます。人を助けるはずが、かえって苦しめることになってはならないからです。
それが理工学の世界ではどうなっているのでしょうか。事故が多発した場合にリコールという制度がありますが、では風力発電機はリコールの対象にはならないのでしょうか。
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と、汐見医師はここでも薬害を例に風力発電機のリコールを求めている。

 この汐見意見書は「2009年10月16日、17日、足利工業大学総合研究センターの主催による「第10回 風力エネルギー利用総合セミナー」が開催され、その講義テキストとしても利用されている。汐見医師の講義を退屈そうに聞いていた松井氏には、日弁連同様全く自国の医師の意見に関心がない。他国の医師については「風車騒音と風車病・睡眠障害との因果関係について。風車病(風車症候群)と名前をつけたのはヨーロッパの研究者ニーナ・ピアポントだ」と紹介するのだが。

・医師の意見に反し環境活動家の支柱として活動している岡田健氏について

風力発電の諸問題」と題する環境活動家による院内集会が2013年5月24日、参議院議員会館で開かれた。
環境省によれば、紹介議員は川田隆平(みんな)、谷岡郁子(みどりの風)、岡崎トミ子(民主前)等、主催は「風車問題伊豆ネットワーク」で、最初にフリーライターの永尾俊彦さんが「和歌山県由良町の風車被害の報告」というテーマで、永尾氏の他、岡田健氏、覚張敏子氏、山本里子氏が講演したそうだ。

以後、永尾氏が風力発電に関して発言されたことは無い。

配布された資料「「法アセス施行後の現状と課題 」2025.5.24 院内集会 覚張敏子」は、
「環境影響評価法が改正された趣旨、風力が追加された原点に立ち戻ってアセス法を守り、育てていく努力をしたい」と結ばれている。
つまり、「一刻も早く被害者救済を」の看板にある内容の裏付けは全くないまま、地域住民の健康被害や環境破壊にも関心は無く、それいけドンドンと風力発電開発に余念が無い事業者にアセスを任せて良しと呼びかけた。

しかし、汐見文隆著2009年8月『意見書「風力発電機による住民被害を追って」』には次の記述がある。
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 今回の申請人の中で一番症状の重篤と見られるのは。直近の風車との
距離が一番近い(350メートル)岩橋喜美子氏です。[第15図]
 岩橋さんについては 2009年5月23日の「風車問題伊豆ネット
ワーク総会」で 本人が陳述されたより詳しい証言があります。
 【記述・覚張敏子さん】
   天目風車10基が家のほうに向かって回っている。音が異常で起
   きて歩けなくなった。動けば少し楽になるが、体が硬直したよう
   になり。手足はしばらく動かない。食事の支度をするのがようや
   くで、掃除などは出来ない。10基回り始めた時このままでは死
   ぬのではないかと思った。
   頭が重く、耳の後ろが腫れて痛く、視野が狭くなり目の前がよく
   見えなくなった。
   家を離れると症状はなくなる/耳の痛みが逆になり、右から左に
   なった。膝にも痛みが出て歩行困難のようになった。
   頭(脳)が疲れ、今まで理解できていたことが出来なくなった。
   口の中に血がたまる。最初は歯茎から出血し口の中にたまり、そ
   の後鼻血が出るようになった。
   以前より病院では、賢常体質といわれ薬が飲めなかったが、今迄は
   湿布で、調節して医者要らずで対応してきた。別荘地に転居し風車
   が回るようになって天目の山側から来る風に恐さを惑じている。
   車の運転をしていたがハンドルが切れなくなった。
   飼い犬が気違い状態になって飼い主に歯を剥いてかかってくる。
   こんなことは決してなかった。
   風車は作ったら回す。自分たちだけではなく、子どもの代になっ
   ても影響がある。造らせないことを切に望む。=====
このような被害を生ずる機器装置は武器か兵器という代物であり、どこにも聴覚影響(聞こえ)を窺わせる被害は無い。聴覚(聞こえ)は侵襲器官であり被害とは無関係だ。

ところが、この会で理論的科学的支柱として活躍している岡田氏は次の様に言う
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新しい技術が出てきたら、必ずこういう新しい問題が出る。それを克服して行く事が大事なんですよね。ですから風車反対しません。今現在の風車で被害を押さえる為には回転数を落とす事だ。問題が出ている周りの風車は回転数を落としなさい。その回転数を私は、まぁ12回転位まで落としなさい。と言ってます。 12回転位まで落としたい。15回転位まで落ちますとかなり楽になります。もうちょっと落として欲しい。
=====
被害者を救う意思があるのであれば、岩橋喜美子氏が主張される様に、風車の建設も稼働も停止するしかない。被害者救済の意思が無いからこそ、ローターの回転を落とそうなどというのであり、そもそも、極めて剛性の高い現代の風車の回転数を落としても、周波数がより低域に移動し被害が無くならないだけでなく、より深刻になる。周波数がより低くなれば、到達力が倍加するからだ。兵器に劣らない風車を、他の地域にも建設させようとする意図とは、「貴方の町にも、貴方の村にも、貴女の郷にも風車〝被害〟をお裾分け」ということに他ならないのだが……

アセスについて、医師は「アセスはアワスメント」と酷評し実効は無いのだし、死人が出るような深刻な人的被害が発生するのに、なおまだ風車を作ると言う考えが理解できない。
ここに集った者達こそ、議員などやる資格が無い、低周波音加害者、風車加害者なのだ。

低周波音被害は加害者の虚言が作ったものだ。理工学関係者の被害者蔑視や医師になりすます行為が被害を作ってきた。

因に岡田氏は自身の活動結果としての成果を公表していて、騒音制御工学会2010年秋に発表になった中では、鎌倉市のエコキュート被害者が〝幻聴〟と記されている。被害者に確認したところ、精神科の医師に受診したことはなく、そのようなことを岡田氏に話したことも無いという。岡田工学士が医師でもないのに精神科の医師を代行をしたのだ。

NHKニュース「おはよう日本」2018年12月20日(木)は埋もれた公害『騒音』に於いて、松井氏(加害の専門家)を被害の専門家として紹介している。

・ガイドラインについて
また、「一般社団法人日本冷凍空調工業会は2011年4月に「騒音等防止を考えた家庭用ヒートポンプ給湯器の据付けガイドブック」を作成し,隣家に低周波音の被害が及ばないような設置方法を勧めているが,低周波音はもともと貫通性が高い上に日本の住宅事情で十分な距離が取れない場合が多く,十分な対策とはいえない」ともいうが、エコキュートをこのまま延命させるための手段としてのガイドラインに被害対策の意味はあるまい。

・環境省の考え方の評価について
環境省は低周波音被害の有無について臨床医学的なアプローチをとらず,音響工学的な手法を採用し「感覚閾値以下の音は人の生理に悪影響を与えない」という考え方の下に環境省の低周波音対策は成り立っているという閾値論を根拠としているとして批判するが、第二参照値というべき全く後進的な事例を他国の先進例だとして広め、被害否定を企てている。「被害者の存在が低周波音被害者の救済の必要性と低周波音の規制の必要性を物語っている」等とも言うが、被害者の救済どころか多くの被害者を自身の商いの対象としたのが日弁連の本意見書だ。

低周波音被害は、音源たる機器装置に発した空気振動が、空間を突き抜けて受音側へ到達し被害を与える。元から存在していた背景の空気振動(B)に、加害音圧レベル(A)が加算され被害が生じる。深夜になってTVのボリュームを小さくすることや風雨の影響で音量を操作することは普通にある。背景の空気振動(B)は住宅地と工業地域では大きく異なるし、傍らを通行する車両でもあれば天地の差が出る。
問題は加害音圧レベルの(A)であるにも拘わらず、参照値や感覚閾値は(A)を考慮せずに、実測値の音圧レベルが(B+A)で構成されたまま、AとBを峻別せず綯い交ぜに語ることで、被害が拡大してきた。
環境省は、「『参照値』とは、発生源の稼働状況と苦情内容に対応関係がある場合に用いるものです。具体的には、測定された「ある周波数の低周波音が、その値以上であれば、その周波数の低周波音が苦情の原因である可能性が高い」と判断するための、「その値」であって、周波数毎に定めています(1/3オクターブバンド中心周波数毎及びG特性音圧レベル)」として、測定された実測値には「B」が含まれているにも拘わらず、「元から存在していた背景の空気振動(B)+(A)」と参照値を比較することを勧奨し、加害音圧レベル「A」を無視している。参照値や聴覚閾値の何処に加害音圧レベルがあるというのか。参照値や参照値の類と低周波音被害には何の関係もない、この事実を述べなければ参照値撤廃、手引書撤廃を求める理由は無い。

根本的に可笑しいのは、他国のガイドラインの類には加害音圧レベルなる考え方は無いから、ポーランドやスウェーデンのいずれも閾値論に帰着するガイドラインが先進例だとする根拠は無く、ポーランドやスウェーデンが先進例だとの考え方は閾値論脱却を提案する日弁連意見に反し自己撞着している。日弁連意見は閾値論脱却の意思が無いと考えざるを得ない、嘘話なのだ。

しかも大型風車の空力音はローターとタワーの交叉時に発生するので、主に1Hz以下に基音が発生するから、5Hz未満に決まりがないポーランドやスウェーデンのガイドラインでは、日本の風車被害者はたった一人も救済できない。

また、その基音に対する倍音は10数次にも達するが。その倍音をどれ程求めても対策はできない。対策は基音に対してのみ可能であるからだ。山田大邦氏らが吹聴する、周波数を細かく表現できるとするFFT解析は、対音源との関係性は把握できず、1/3オクターブバンド周波数分析と同様の傍証に過ぎない。あくまでも音源を推定する方策の一つであって、風車が発する空気振動とそれが到達した受音側での空気振動の突合ができないままでは、因果関係は証明できず被害対策は不可能だ。

本意見書では、ここに述べた汐見医師の医学的見解は採用されず、松井利仁氏(京都大学)著「複合低周波音の評価指標に関する考察」(2010年9月)や『日本騒音制御工学会研究発表講演論文集』229頁,岡田健氏「エコキュートや風車からの超低周波音による生理的影響はなぜ起きるのか?」(2009年6月7日『消費者レポート』)などをアピールする。

松井利仁氏や岡田健氏をこの被害の専門家として推す井坂和弘弁護士は、平成24年11月2日、被害者(私)に「被害者が求めているのは汐見医師の意見だ」と面罵されている。

表面上どれほど「低周波音被害は医師の意見を求めている」と述べてみたところで、こうやって医師や被害者の活動を妨害し続けて、被害を拡大してきた者達の意見を採用していたのでは、新たにこの被害に意見を述べようとする医師は何時まで経っても現れることはないだろう。

特に問題なのは「当面の対策」である。
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そして国は,環境省が新しい規制基準を定めるまでの当面の間,被害者を放置することのないように,暫定的なガイドラインを作成する必要がある。ここで参考になるのが,ポーランドやスウェーデンなどの諸外国の先進的なガイドラインである。これを参考にして暫定的な基準を設けるべきである。
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という。何を言っているのか、他国に先進例は無いし、暫定的なガイドラインの必要もない。
音源から空気振動が受音側へ到達したか否かは3dB(エネルギーは2倍)差が確認できれば被害判定可能であり、対応する被害が「どうもない→苦しい」と一致していれば良いのだ。
本意見書の主張が被害対策を遷延(先延ばし)し被害者を過酷な被害現場に放置しようとするものとなっていることは明らかだ。自在に向きを変え、被害者宅に向かって来る重機のガイドラインはどうやって決めるのか?

また、「新しい規制基準の導入」では、
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その上で,低周波音による健康被害を防止するに足りる,新しい規制基準を早急に策定すべきである。その際には,長期暴露して発症した者の特性を考慮するとともに,被害者宅の実態を考慮して,被害を防止しうるような立地規制や設置基準の設定が適切になされる必要がある。このような規制は経済活動に対する直接的な規制であるから,ガイドラインのような行政計画上の基準ではなく,法的な基準として制定する必要がある。また,仮に基準に達していない場合においても,その一事をもって被害を否定するのではなく,症状などを総合的に判断して低周波音被害と認められる場合は,救済の対象とすべきである。
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という。結構な意見だが、低周波音被害だとの判定は誰がするのか、その判定基準は如何なるものか、被害を防止するに足る規制は、音源を駆逐する他はない。風車や重機、コンビニやスーパーマーケットが原因の被害者の救済とは如何なるものなのか、を全く考慮していない。あり得ることなので述べておくが、弁護士が被害判定するようなことは決してないと信じたい。

加えて「まとめ」では、
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今こそ,機械の便利さの陰で泣く低周波音被害者の声をよく聞き,低周波音問題の実相を正確に理解し,かつ多くの被害者にとって,低周波音被害が生存権を脅かしかねない状況になっているという事実を直視し,被害実態を的確に把握する調査を行うべきである。その結果を踏まえて,「手引書」と「参照値」を撤回し,被害を十分に防止しうる新しい規制基準の策定,当面の対策をはじめ,必要な施策をとるべきである。
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とはいうものの、これまで見てきた通り、本報告書の内容は「必要な施策を取るべき」とする看板に偽りがある、現に巨大風車や重機、工場が原因の低周波音被害者救済は全く考慮されておらず手付かずである。

以上

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